【読書メモ】「早送り」ひとつでこんなに人間って変わるんだ。人間ってすごい。 〜映画を早送りで観る人たち〜
こんにちは、御堂筋です。 面白そうな本を読んだのでアウトプットします。
気付き
当たり前とされている「早送り」という機能についてじっくり考える良い機会になった
- 「変化」にもっと敏感にならないといけないのかもなと感じました
「情報収集」と「芸術的鑑賞」目的を明確に分けることが必要
自分自身の心境の変化
- 最初読んでいる時の心境:「受け手の自由なのでは?」
- 最後まで読んでみて:「『早送り = 悪』ということを伝えたいわけでは無さそう」
自分たちは無駄に忙しくしているのかもしれない
- 本来はそこまで忙しいわけではないはず(= 労働時間が増えたわけではない)なのに、「繋がっている」という感覚からどうしても気持ちが焦ってしまうことが多いなと思っていました。
- 「敢えて繋がりを断つ」ことで心に余裕を持てるのかもと思いました
To do
終わりに
自分自身も当たり前のようにYouTubeで早送りをしていたので、「え、それって悪いことなの??」と読み始めは思っていましたが、どうやらそういったメッセージを伝えたいわけでは無さそうだなと読み終えて感じました。
何事も目的に合わせながら機能を使っていくことが大切なのだなと自分は気付きました。
所謂「時代」で片付けられてしまいそうな要素を、一次情報を合わせながら細かく言語化されてきた著者に対して「そうそれ!」という声が聴こえてきそうな内容でした。
備考:ハイライトした部分
大学生の彼らは趣味や娯楽について、てっとり早く、短時間で、「何かをモノにしたい」「何かのエキスパートになりたい」と思っている。彼らはオタクに〝憧れている〟のだそう
ところが、彼らは回り道を嫌う。膨大な時間を費やして何百本、何千本もの作品を観て、読んで、たくさんのハズレを掴まされて、そのなかで鑑賞力が磨かれ、博識になり、やがて生涯の傑作に出会い、かつその分野のエキスパートになる――というプロセスを、決して踏みたがら
これさえ実行しておけば成功する、魔法の裏技」「この人とつながったら、成り上がれる」、そんな秘密のバックドア、ゲームで言うところの〝チート〟(cheat/ゲームのデータやプログラムを不正に改変してキャラクターの能力をアップさせたり、アイテムやお金を増やしたりする) を、彼らは日々探している。いわばライフハックの一形態だが、cheatの元々の意味は「いかさま」「不正行為」「詐欺」
「鑑賞」に紐づく「作品」という呼称と、「消費」に紐づく「コンテンツ」という呼称の違い
量〟の物差しを当てるか、当てないか
ゆえに当然ながら、ある映像作品が視聴者にとってどういう存在かによって、「コンテンツ」と呼ばれたり、「作品」と呼ばれたりする。どういう視聴態度を取るかによって「消費」なのか「鑑賞」なのかが異なって
四半世紀にわたって屈指の「わかりにくさ」を誇り、それがまた作品の深みにもなっていた『新世紀エヴァンゲリオン』の総監督・庵野秀明 は、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』制作を追う
「おもしろいですよっていうのをある程度出さないと、うまくいかないんだろうなっていう時代かなって。謎に包まれたものを喜ぶ人が少なくなってきてる(*
大学生たちへのヒアリングでは、何人かから同じような言葉が聞かれた。 「せっかちなんですよ、私(
同じようなことは柴田キャスターも言っていた。せっかちだから、早く結末が知りたい。せっかちだから、すぐ結論が欲しい。だから早送る。だから 10 秒飛ばす。途中をすっ飛ばして最終話までワープ
人間は、実際の支払い手続きと引き換えにして個別の商品を受け取ると、「大枚はたいた」という気分を実感する。大切にするし、無駄にしたくないと
しかし、毎月の決済手続きさえ必要としない月額料金自動引落とし、かつ「一定範囲内の作品を1ヶ月間自由に観られる権利」という無形物の売買に際しては、カネを払っているという感覚が希薄になる。結果、買ったものを大切にしない。ぞんざいに扱ってもそれほど抵抗感をおぼえ
原作漫画のセリフ回しに極力忠実に映像化することの是非は、ここでは問わない。ひとつ言えるのは、昨今は映像化によってセリフなどを〝改変〟すると、それが適切な脚色の範囲内であっても、原作ファンが「原作レイプ」などと不満の声を上げるケースも見受けられるということだ。そういったリスクを根本から断つには、「原作どおり」が無難で
わかる人はわかる人なりに。わからない人はわからない
「倍速視聴に積極的な人の比率は、年齢が若ければ若いほど
20 代から 60 代の男女の中でもっとも倍速視聴経験があるのは 20 代男性( 54・5%)、次いで 20 代女性( 43・6%)。青山学院大学のアンケートでは、2~4年生(概ね 19 ~ 22 歳) の 66・5% が「倍速視聴を『よくする』『ときどきする』」だ。ゆめめ氏の「ワカモノのトリセツ」にも、倍速視聴が「若者の行動常識、マスト」とリポートされてい
LINEの友達グループは四六時中つながっている。文字通り、朝起きてから夜眠るまで。いつでも連絡できるし、常に何かしらの反応を求められる。 とはいえ、世間話のネタがそれほど転がっているわけではない。そんな時、手っ取り早く盛り上がるのが、「あれ観た(聴いた)? おもしろかったよ。おすすめ」だ。映画やドラマやアニメ、楽曲など。つまりコンテンツについての話題である。 このような話題を無視することは難しい。自分が話題に乗れないばかりか、反応を返さなければ波風が立つからだ。いわゆる「既読スルー」は、「その話題には興味がない」という積極的な態度表明と受け取られてしまうので、できれば避けたい。話題に出た作品はなるべく観て、感想を言う必要がある。そうしてグループの和を
実際、多くの大学生が「個性的でなければ就活で戦えない」と感じている。履歴書に胸を張って書けるだけの〝武器〟が欲しい。「本来は、その人がその人であるだけで立派な個性なのに、〝無理して個性を作らなければいけない〟と焦っている」(森永
しかもその個性とは、特定の教科が得意だとか、多少英語が話せる程度では足りない。一昔前や二昔前には趣味として定番だった「映画鑑賞」「読書」「音楽鑑賞」「スポーツ」などは、論外中の論外
「面接はもちろん、エントリーシート上でも人とは違う自分を見せなきゃいけないじゃないですか。自分らしさってなんだろう、自分しかできないことってなんだろうって、すごく考えるようになりまし
すべての若者がそうだとは言わないが、とりわけZ世代を中心とした層に、「回り道」や「コスパの悪さ」を恐れる傾向は
昔と比べて子供をめぐる環境が全体的に〝親切〟になっている点を指摘
「大人が子供の気持ちを先回りして察しようと動く。子供たちは、とにかく大事に大事に育てられているので、痛みに弱い。失敗したり、怒られたり、恥をかいたりすることに対して、驚くほどに耐性が
スマホに届くメッセージへの即レスプレッシャーに常にさいなまれている若者層にとって、暗闇でただ座り、一時停止することも早送りすることもスマホチェックすることもできないまま2時間を過ごさなければならない娯楽は、どうにもハードルが高い。 また、早送り勢の資質として指摘した「せっかち」気質や「結論を先に知りたい」気質の人たちにとって、あるいは共感強制プレッシャーの中、膨大なコンテンツを次々に消化していかなければならない状況下、1コンテンツ2時間というサイズはトゥーマッチすぎるのではない
現代人はとにかく忙しい。しかも、労働時間が延びているのに収入は上がらない。「失われた 30 年」が継続中の日本においては、特にそうだ(*
「中年世代の若者批判だ」と 揶揄 する声も一部で見受けられた。しかし本書を読み通された方ならおわかりのように、その謂は正確ではない。 まず、倍速視聴は若者に多い習慣ではあるが、若者だけの習慣ではない。 さらに、倍速視聴は筆者が同意しかねる習慣ではあるものの、そこにネガティブキャンペーンを張りたかったわけではない。現象を俎上に載せ、論点を可視化することで、議論のゴングを鳴らしたかっ