みどうすじ、徒然なるままに

IT企業でキャリアアドバイザーをしています。普段の小さな気付きから哲学的な考えまで、書きたいことを自由に書きます

【雑記】コミュニケーションはまず「聴く」ことから

こんにちは、御堂筋です。IT企業でキャリアアドバイザーをしています。 皆さんは「話すこと」と「聴くこと」どちらが得意でしょうか?

私は圧倒的に「話すこと」が得意な部類です。口から生まれたと言っても過言ではありません。 そんな私が現職でしてしまった失敗談を共有します。

◎ 自分の定義の違い
・「聞く」:ただ相手の声を耳に入れる行為
・「聴く」:相手の心の内にしっかりと耳を傾ける行為

話すことが得意だと思っている人ほど聴くことの重要性を見逃しがちです。というのも私がその一人だからです。 極論何も話さず、うなずいていただけでもコミュニケーションは成立し、下手をすれば話すよりコミュニケーションの満足度が上がることも有り得ます。

今回の記事を通して、読んでいる誰かが「もっと相手にベクトルを向けてみよう」と思ってもらえたら嬉しいです。

前提

元来、自分は話す方が得意ですし好きです。 色々な言葉が浮かんでくるので、それを反射的にアウトプットしてしまいます。古舘伊知郎さんに近いものを感じます。 そのため、人前で発表することや意見を言うことに全く抵抗はなくむしろ率先してやりたがっていました。

一方で人の話を聴くことは苦手でした。正直人の話はほとんど覚えていませんでした。 稀に「今日は相手の話を聴こう!」と決心しても気付いたら自分の話ばかりしてしまっていて、「あれ?あの人今日なんて言ってたっけ?」となることも少なくありませんでした。

教員という仕事をしていたこともあって、「人に何かを伝える力こそがコミュニケーション力」だと思っている人間でした。

前職においても「伝える」ことで成果を出してきた

前職でもがっつり”エージェント”かつ”教育事業におけるエージェント”だったので伝えることの方が多かったように思います。 「候補者の状況を分析して、戦略を立てて提案する」・・・これが成果に繋がっていたので聴くことというのはあまり無かったのかなと、今振り返っても感じます。

おそらく「聞く」ことはしていましたが、「聴く」まではしていなかったことは確実に言えます。

結果的に、

  • 月の目標を8ヶ月連続達成
  • 支部で1位の成績
  • 月次での表彰式にて3度受賞

といった成果を挙げることが出来たので自分のスタンスを疑うことすらしませんでした。

「聴けるようになりたい」と思ったのは現職での「ある出来事」がきっかけだった

転職して2ヶ月目にその出来事は起こりました。 現職でもキャリアアドバイザーという肩書なのですが、転職意欲が無い方も情報収集という形で面談に来て頂くことがあるのが前職との職務上の違いです。 実際半数以上の方が「まずは色々知りたい」という目的で来られています。

その時も「転職はほぼ考えていない。ざっくり何か知れたら良い」という温度感の方を担当しました。 自分自身この時点ではそこまで豊富に情報を持っている訳ではありませんでした。 もちろん研修で教わるレベルの情報はインプットしていましたが、その時担当した方がメガベンチャーでマネージャーをやっているクラスで、情報量では太刀打ち出来ませんでした。

「伝える」という武器を失った自分は何も話すことが出来ず、ただ間延びした語句を並べたり何のためか分からない質問を繰り返している時間が続いてしまいました。

結果、1時間の面談が30分で終了。アンケートには「面接みたいで体験が悪かった」と書かれてしまう始末でした。

今まで「悪かった」と明確に書かれることが前職含めて無かったので非常にショックでした。

その後、色々な人に壁打ちをしながら内省を行った

  • 自分の何がいけなかったのか
  • どうしたら良かったのか

をひたすら考えては周りの人にぶつけていきました。

周りの人との対話を通して得られた気付きとしては 「自分は人に興味を持っていなかった」 でした。

  • 相手が何を欲しているのか
  • 相手の関心事は何なのか

それらを全く考えず、「自分はどうしたいのか」「自分は何が出来るのか」ばかりを考えてきたことに気付きました。

相手の興味・関心に関心を持つために出来ることが「聴くこと」

そこからは「聴くことで相手の興味・関心を知って次に繋げていこう」と思って行動を始めました。 取り組んだことは以下です。

普段の日常から、周りを良く見て考えてみる行動を取り始めた

電車の中や町中など、スマホや本ばかりを読むのではなく誰かの行動を見てみて「あの人はどうして〇〇なんだろう??」と考えてみることにしました。 そうすることで少しでも相手にベクトルを向けられるようになるのではと思ったからです。

相手の話を聴く時は、極力メモを取らずに相手の顔を見る

これはWeb会議でのアクションです。仕事柄メモを取るのですが、メモを取ろうと思うとどうしてもそちらに意識を持っていかれてしまうので「ながら聞き」を止めました。 とはいえ全く取らないと後で見返せなくなってしまうので、相手が話終わったタイミングでメモを取るようにして、相手が話している最中は全集中で聴くことにしました。

聴く時は自分の考えを一旦外に放って、相手の言葉を受け入れるようにした

聴いている最中に「あ!これは〇〇と思うな〜」と自分の思考が混じると相手の話を聴けなくなってしまうので、自分の考えが浮かんだ時はすぐさま横にあるiPadになぐり書きをしておいて、必要になったら見返して伝えるようにしました。

これらのことをコツコツとやってみるようにしました。

聴くことを意識して変わったこと

まず、明らかに面談の質が変わりました。 面談内で「こんなに話を聴いてくれるとは思わなかったです」というお声を頂くことが増えました。 事実ベースでも満足度のスコアも上がりました。

また、「相手を知ること」が楽しくなりました。 意識する前より相手のことを深く知ることが出来るようになった気がしています。 新たな発見や印象に残ることも増えて、自分の引き出しも増えたように感じられています。

まだまだ実践途中ですが、非常に良い傾向だなと思っています。

まとめ:疲れたら無理に聴かなくてOK。少し休みましょう。

ここまで「とにかく人の話を心で聴くこと」の重要性や背景を書いてきました。 とはいえ、人間ずっと聴くことは不可能なので「あー今日は相手の話が入ってこないなぁ」と感じたら今度は誰かに自分の話を聴いてもらうことをおすすめします。 自分の要領がいっぱいになっているときはどんなに意識しても相手の話を聴くことは出来ません。私も長時間の面談を終えた後に妻の話を聴くのは苦手です。笑 次の日に聴いたりしています。

「話せるんだけど、何かコミュニケーションが上手くいっていない気がする...」という人が少しでも良くなるきっかけになったら嬉しいです。 以上です、長文を最後まで読んでくれましたらありがとうございます。

参考:聴くことを意識する上で役に立った資料

①: LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる | ケイト・マーフィ, 松丸 さとみ, 篠田 真貴子 | 社会・政治 | Kindleストア | Amazon

名著です。ひとまずこれだけを熟読しておけば「聴く」ことの大切さは感じられます。

②: 商談中のメモはこうしてとれ!!会話を聞き漏らさないメモのとり方|プロセールス協会

聴きながらメモを取るのがしんどいと思った時に調べて参考になった記事です。

③: 詰問と感じさせない準備をしよう、聞く理由を先に伝える | 日経クロステック(xTECH)

「聴く」ことが先行してしまうと「詰問」になってしまいます。これを実践することで相手が不快に感じずに答えられるようになります。